「ヘナ」による白髪染めは安全なのか?

白髪染めにも安全性が強く求められるようになり始めた頃、一時、大人気を集めたのが「ヘナを使用した白髪染め」です。

 

「ヘナは植物系の天然染料なので髪にも頭皮にも、そして自然にもやさしい!」という感じで、いろんなメーカーが大々的にヘナ使用の白髪染めを発売していましたよね。

 

しかし、今って、昔に比べると、ヘナ使用の白髪染めって、あまり見かけなくなった気がしませんか?
どうして、安全なはずの「ヘナによる白髪染め」の人気が、以前より落ちてしまったのでしょうか。

 

「ヘナの安全神話」の落とし穴

ヘナによる白髪染めの人気が、以前ほどではなくなってしまった大きな理由のひとつとして挙げられるのが、「ヘナを使った白髪染めには、ヘナだけではなく、PPD(パラフェニレンジアミン)も使われていることが多い」というのがあります。

 

PPDは、染料を髪に定着させるための成分なのですが、実はこのPPDは、髪や頭皮に対する刺激性がかなり強い「劇薬」でもあります。

 

つまり、ヘナがいくら天然成分で、刺激性が少ないと言っても、そのヘナの色を定着させるためにPPDを使ってしまっている、という段階で「髪や頭皮に対するやさしさが台無し」という結果になってしまうんですよ。

 

「ヘナの安全性」を売りにしつつ、その裏では危険なPPDを使用している・・・これによって髪や頭皮にトラブルを訴える人も多かったことが、ヘナの人気を昔よりも下げてしまった原因のひとつだと考えられます。

 

ヘナだけでは染められない!?

というわけで、ヘナを使った白髪染めの多くには刺激性の強いPPDが使われており、たとえヘナ自体が安全であっても、PPDのせいでそれが台無しになる・・・ということになるのですが、これを聞くと「PPDという成分に危険性があるのは分かったけど、だったらヘナだけを使えばいいじゃない」と思われるのではないでしょうか。

 

しかし残念ながら、ヘナだけできれいに髪を染めるのは不可能に近いんですよ。

 

というのも、ヘナの色素というのは黒に近い色ではなく「赤褐色」なんですよ。
しかもPPDを使わなければ色素の定着率も落ちてしまうので、実際の染め色は、ヘナそのものの赤褐色よりもさらにずっと薄い「オレンジ色」「赤みがかった色」程度になってしまうのです。

 

日本人であれば、ほとんどの人が白髪染めに対して「黒またはブラウン系」の染め色を期待していることでしょう。しかしヘナだけでは、その染め色に対する期待に応えることができないのです。

 

これも、ヘナの人気が落ちた理由のひとつと考えられるでしょう。

 

天然染料で黒またはブラウン系に染めるためには、もっとほかの天然色素を利用することが不可欠になってきます。

 

ですから、今ではシコンやウコン・クチナシ・アナトー・藍など、安全性が高くてヘナよりも色の定着がしやすい天然染料が人気を集めていますね。しかもこれらの天然染料は、単独で使われるのではなく何種類かを組み合わせることによって、日本人好みの色を作り出すこともできるという大きな強みがあるのです。

 

ですから、「白髪の部分は、白くさえなければいい、別にオレンジ色の明るい色になってもかまわない」というのであれば、PPDが配合されていない、ヘナだけを使った白髪染めを使うのもOKでしょうが、他にもいい選択肢がどんどん増えてきた今では、あえてヘナを選ぶ必要もない、ということです。

 

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